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学部前半の振り返り

学部前半の振り返り 学部1~2年の振り返りをします。 読書録 読んでいた本とその時期をリスト化しておきます。 学部1年春学期 数学書 Qing Liu, "Algebraic Geometry and Arithmetic Curves". Atiyah, Macdonald, "Introduction to Co…

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学部前半の振り返り

学部1~2年の振り返りをします。

読書録

読んでいた本とその時期をリスト化しておきます。

学部1年春学期

数学書

数学書以外

  • ランダウ, リフシッツ, 「力学(増訂第3版)」.
  • アトキンス, 「物理化学(上) 第10版」.
  • アトキンス, 「物理化学(下) 第10版」.

学部1年秋学期

数学書

  • Qing Liu, "Algebraic Geometry and Arithmetic Curves".
  • Robin Hartshorne, "Algebraic Geometry".
  • Atiyah, Macdonald, "Introduction to Commutative Algebra".
  • Emily Riehl, "Category Theory in Context", available at https://emilyriehl.github.io/files/context.pdf .
  • Assem, Simson, Skowroński, "Elements of the Representation Theory of Associative Algebras 1" .

数学書以外

  • ランダウ, リフシッツ, 「力学(増訂第3版)」.
  • アトキンス, 「物理化学(上) 第10版」.
  • アトキンス, 「物理化学(下) 第10版」.

学部2年春学期

数学書

数学書以外

  • Donald E. Knuth, "texbook – The source of The TeXbook".

学部2年秋学期

数学書

  • Qing Liu, "Algebraic Geometry and Arithmetic Curves".
  • Peter Scholze, "Lectures on Condensed Mathematics", available at https://people.mpim-bonn.mpg.de/scholze/Condensed.pdf .
  • J. E. Humphreys, "Introduction to Lie Algebras and Representation Theory" .
  • Masaki Kashiwara, Pierre Schapira "Sheaves on Manifolds".
  • Egbert Rijke, "Introduction to Homotopy Type Theory", available at https://arxiv.org/abs/2212.11082 .
  • 松村 英之, 「復刊 可換環論」.

数学書以外

  • Donald E. Knuth, "texbook – The source of The TeXbook".

入学直前

 Discord のゼミサーバーを見ると、2024/03/26 に浅縹とじゅんにーあたりと Liu ゼミを立ち上げているっぽいです。大学の入学が決まったのがおそらく 2024/03/21 とかでしたので、割とすぐに思い立ったのだと思います。ゼミメンバーはTwitterでFFだった2人から反応をもらったので、その2人とかとやりました。浅縹は中学からのネッ友、じゅんにーは第42回数理の翼夏季セミナーで会っていました)。(翼のことは浅縹が参加しているのを見て参加しました。)

(ちなみに、後期の合格発表は岡山駅前の雀荘(おそらく「High&low」)で浪人していた高校の友人らと麻雀をしていたときに親からの電話かラインで知りました。取り敢えず、行き先が決まったことを友人に話し、島流しにあうことを言って笑っていました。かなり辛かったです。)

学部1年

春学期

 一番記憶に残っている出来事は、微積の初回授業の最後に呼び出しを食らったことです。悪い意味で呼ばれたわけではなく、参加登録をしていた「可換環論セミナー」に新B1の私の名前があったのに驚かれて声をかけられたそうです。可換環論セミナーの存在は私のFFから教えてもらいました。これが、松井紘樹先生との最初の会話でした。そもそもなぜこれに参加したのかは覚えていませんが(よのさんが行くってなったからかな?)、このセミナーに参加したときには参加者の皆様に懇親会などですごく可愛がっていただきました。ただ、当時は連接層の導来圏あたりを扱いたいと考えていたので、松井先生には入学前からお世話になろうと思っていました。呼び出された後、すぐにアポイントメントをとり、研究室訪問に行きました。私が高校生のころ勉強していた内容を話したり、何をやっていきたいかなどを聞かれました。ただ、Yoneda までの圏論しか知らなかったため(浪人時の4月〜6月に Context のゼミに参加していましたが、途中で参加しなくなりました。)、込み入った話は何もできなかったです。4年生のアティマクの卒研に参加しないかといわれ参加しましたが、担当者のセミナーが上手くなく、聞いているのがかなり辛かったので脱落してしまいました。

 高校生のころから患っていた双極性障害の影響で体調が優れないことが多く、大学生活は苦労しました。特に、6月などは梅雨の影響もあり、3日ご飯を何も食べれなくなりました。そのため、一時的に耳が聞こえなくなったりしました。ただの栄養失調で良かったです。病院に行こうにも、岡山で生活していたときと異なり、自転車とバスと徒歩を使って1時間ぐらいかけていかなくてはならない病院に通っていたので、鬱の状態で行く気が起きず状態化するばかりでした。

 具体的な数学に関してですが、Liu・Ahlfors・Tu多様体・超局所層理論のゼミをこなし、ひとりでアティマクとRiehlのContextを読んでいました。 Liu 以外は割と早期で消滅しましたので、結局年間を通して読んでいたのは Liu のみです。高校3年のときに Hartshorne を触っていたとはいえ、2年弱もの間代数から離れる生活を続けていたのもあり、かなり苦労しました。まず、可換環論をなにも覚えていなかったです。高校2年の終わりぐらいにはある程度アティマクを触っていましたが、詰め込んだような勉強だったのであまり身になっていなかったっぽいです。テンソル積あたりからの知識が消滅していました。scheme の最初の方の議論には可換環論は登場しないので、テンソル積と局所化を youtube とかで速習し、なんとか誤魔化していました。発表担当の週以外ではアティマクを読んでいました。数学書を読み進めるスピードはかなり遅いので、ゼミ発表を遅らせてもらうこともありました。これは、今も続いていて申し訳ないです。(数学書に限らず、そもそも文章を読むのが遅いです。共通テストの英語も読み切れたことがないです。)

 同じ科の知り合いに「英語の」数学書を読んでいると驚かれるので、一応書いておきます。学部1年で英語の数学書を読めていた理由ですが、高校2年ぐらいで J.S. Milne "Fields and Galois Theory" を頑張って単語を調べながら読んでいたからです。基本定理と推進定理あたりまでしか読んでいないですが、単語には不安がなくなりました。高校での英語の成績は壊滅的でしたが、京大英語の対策を浪人時の秋まで続けていたのもあり、英文法とか構文解析とかは問題ないぐらいの実力はあったらしいです。Riehl とかは洒落た英語を用いると思うのですが、それも問題なかったです。そもそも数学書で用いられる英文が簡単なのもあると思いますが。

秋学期

松井先生とAssem, Simson, Skowroński "Elements of the Representation Theory of Associative Algebras 1" (よく ASS と呼ばれているやつ)でセミナーをすることになりました。これは私が連接層の導来圏あたりをやりたいと話していたのもあり、松井先生の勧めで読むことになりました。他の候補としては、Graham J. Leuschke, Roger Wiegand "Cohen-Macaulay Representations" もありましたが、パラパラとめくってホモロジー代数があまりにもできなさそうだったので断念しました。ASS は、入学直前に参加した第5回すうがく徒のつどいでのサクラさんの講演でおすすめされていたので、私としても乗り気でした。セミナー自体は私のキャパの都合でこの学期だけで終わりになりましたが、本自体は読み進めていました。

大学院の幾何学の授業に参加したこともありましたが、松本多様体の内容を扱っていて、すべて知っている内容しかなかったので参加しなくなりました。同じく、大学院の代数幾何学の授業にも参加しましたが、古典の方だったので当時は興味がなく、参加しなくなってしまいました。今思おうと、代数曲線などの幾何的直感を得るために、もう少し粘って参加しとけばよかったな〜と微かに思います。レベル感的にコホモロジーなどを扱わなかったとおもうので、大きな選択ミスではなかったです。まあ結局、代数曲線の層係数コホモロジーまでを勉強したのは2年の春学期ですので。

行っていたゼミなどは結局、Liu・ASSだけでした。多少キャパがあったので、浅縹やじゅんにーがやっていたノイキルヒのゼミに参加させて貰えばよかったなと書きながら思いました。

3月にあった第28回数物セミナーに参加し、 Hartshorne の1章を読みました。色々あり苦労しましたが、その後は運営として参加させていただくことになりました。

徳島大ですうがく徒のつどいを開き、松井先生に教わった、松村可換環論の最初らへんの節に書いてある内容の可換代数の dual でない部分について「中山の補題のいろいろ」という題目で講演しました。これが人前で話す最初の機会で非常に拙い発表になってしまいましたが、参加されていたぴあのんさんから非常にたくさんのアドバイスをいただき、成長につながりました。(ぴあのんさんとは数理の翼関連で知り合いでした。)

学部2年

春学期

 この頃は、特に躁鬱が酷かったのか、大学に関する記憶がほとんどないです。大学にもほとんど行けず、GPA は1.43、取得単位数は13と壊滅的でした。

数学に関しては多少覚えていて、スキーム論を勉強するのに可換環論力不足を実感し始めたのと、すうがく徒のつどいで多少松村読んだのもあり、4月はじめからMark6さんやLinuxmetelさんなどと松村可換環論でゼミをすることにしました。松村はad-hocなことも多少あり、そういったad-hocは部分の数学をやるのが初めてだったので、苦労しました(今現在も苦労しています)。

第29回数物セミナーでは S. Mac Lane, I. Moerdijk "Sheaves in Geometry and Logic - A First Introduction to Topos Theory" (よく SGL と呼ばれているやつ)のCh.2あたりを読みました。このとき、はじめてMark6さんとかと会いました。Mark6さんを代表として、私以外の班員がみんな数学がめちゃくちゃできたのでセミナーは非常に円滑でした。今現在、一番良かったゼミだと思います。ただ、私がキャパってしまい、事後ゼミを消滅させてしまったいました。非常に申し訳ないです。今でも後悔しています。この本は、圏論の本ではないのもあり、categorical に議論が行われておらず読みづらかったです。一番の読みづらさの部分は、証明記号がなく、数学パートなのかと地の文パートなのかわからない点や、議論の中での記号の取り替えが非常に適当なところです。いい本ではあると思います。その後、ひとりで elementary topos パートを認めながら、ある程度 Grothendieck topos パートまで読み進め、すうがく徒のつどいで sheaf topos と Grothendieck topos の基本群あたりの内容で講演しました。ここで、Uemura さんから HoTT や Riehl&Shulman について教わり、無限圏への関心がさらに高まりました。すうがく徒のつどい直前に数物セミナーAdv で Kerodon や Denis-Charles Cisinski, Bastiaan Cnossen, Kim Nguyen, Tashi Walde "Synthetic Category Theory" をほんの少し読みました。Synthetic Category Theory に関しては技術的に問題がある代物らしく、ちょっと失敗でした。2026/04/15 に更新が入っていますが、この問題が今現在解消されているかは知りません。

秋学期

 いくら双極性障害とはいえ、GPA 1.43 はありえないと思い、真面目に学校に行く決心をしました。とはいえ、鬱が夏終わりまで残っていたので、それ以降からちゃんと学校に行くようになりました。逆に、秋からは躁がひどくなり、起業しようとしたり、新たにバイトを増やしてしまい、平常時になってキツくなることが多かったです。なんやかんやあって、結果は GPA 2.63 でした。徳島大学はありえないので、ほとんどの授業で出席の比重が3割あり、こんな結果になりました。こんな大学に来てしまったばっかりに......

Liu ゼミに関しては、ほぼ進んでいないです。今学期終了までにCh.4 の最後の Zariski main theorem をやって終わりました。参加者がみんな多忙になり始めたのと、夏ぐらいから各自で読むようになり、冬ぐらいには Ch.5~7,8 の内容が参加者のあいだで既知となるぐらいになったので、みんなモチベがなくなりました。とく2年も続いたと思います。私は、演習問題を消化していなかったり、精密な理解をしていないので、3年でもお世話になります。

Uemura さんのつどいでの講演に影響され、Egbert Rijke "Introduction to Homotopy Type Theory" のゼミを始めました。普段の私の数学があまりにも ZFC 依存のもので、type という概念を受け入れられずに苦労しました。ただ、勉強していくうちに、simplicial set での無限圏から逃げるべきではないと感じるようになり、後に書く Condensed の影響でかなり数論幾何への興味に傾いていってしまったので、今学期限りで抜けてしまいました。

Adv8th に Peter Scholze "Lectures on Condensed Mathematics" で参加しました。 Adv7th 終了時に Condensed をやることを決意していましたが、導来圏の議論ができなかったので、夏終わりから Masaki Kashiwara, Pierre Schapira "Sheaves on Manifolds" の該当箇所を読み進めていました。内容的には難しくなかったですが、道具の準備なので辛かったです。この Condensed は derived な議論のオンパレードかつ証明も天才仕様のものが多く、非常に辛かったです。ただ、今までの数学人生の中で一番成長できました。Liu や松村レベルの本の行間は特に調べなくても簡単に埋められるようになり、全体的に読書スペードが上がりました。加えて、derived な sheaf の取り扱いが非常に楽しく、自分の性に合っていることも内省的に理解でき、今後の勉強方針がある程度明確にもなりました。spm30th では、 J. E. Humphreys "Introduction to Lie Algebras and Representation Theory" を扱いましたが、内容的には線形代数ができれば誰でも読めるレベルなので問題なかったです。ただ、睡眠時間が 0 の時が多く、加えて準備時間を Condensed にすべて持っていかれていたので、予習 0 で挑んでしまい、体力的に辛かったです。